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デジカメフェア2023フォトコンテスト入賞作品

フェア・イベント

「中西 敏貴先生が選ぶデジカメフェア2023フォトコンテスト」に
たくさんのご応募をいただき誠にありがとうございました。

中西敏貴先生が選ぶデジカメフェア2023フォトコンテストの入賞作品を掲載させていただきます。

 

総合グランプリ 風景部門

 


野田 三喜男
「耐えかねて!」

様々な作品が上位を占める中で、総合的なグランプリに相応しい作品とは何かを熟考し、野田さ
んの作品を選ばせていただきました。この写真に描かれているものは、単純に風景という言葉だ
けでは語りきれない「時の堆積」です。柿の木とこの小屋は、どれほどの時間をこの場所で過ご
してきたのでしょうか。この場所には紛れもなく人の営みがあり、風景はその積み重ねで成立して
いるということを、野田さんは重厚なトーンと美しいプリントで演出しました。

 

準グランプリ 風景部門

 

菱田 貴子
「花一会」

矢野 容子
「朝陽を浴びて」

不思議な浮遊感を持つ世界に惹かれました。描かれているメインのモチーフは花なのですが、作品から醸し出されるイメージはさらなる広がりを感じさせてくれます。花を取り囲む水面のような文様がその役割を果たしているのはいうまでもなく、そこに付け加えられた色合いが、イメージの広がりを増幅しています。果たしてこの世界は現実なのか空想の世界なのか。まるで夢の中で花を見ているような心地よい作品です。 オーソドックスな捉え方ではありますが、この写真に力を与えたのはいうまでもなく美しいライティングです。そして、その光の印象を強めるために付け加えられた暗部の割合が、その光の印象をさらに高めています。連なるように咲くフジの花には方向性がありますが、その流れを阻害しない画面構成も見事ですね。落ち着いたフレーミングは、安心して見ていられる安定感を生み出しています。

 

準グランプリ 自由部門

 

斉田 悌征
「夜祭り」

東山 大介
「エイリアン」

何やら見てはいけないものを見ているような感覚になりました。もちろん、選ばれているモチーフがそれを演出しているのは言うまでもありませんが、怪しい光に浮かび上がったその姿と、その周囲を取り囲む不思議なブレが、強烈に目に焼き付きます。画面を傾けた斉田さんのテクニックも、それらの印象を強めるのに効果的でした。作者の狙いにしてやられた、というのが正直な感想です。 写真は光と影を使って絵を描くもの。改めてそのことを思い出させてくれる写真でした。目の前で繰り広げられる三次元の世界を、平面に落とし込むのが写真の面白さの一つですが、東山さんはそのことをちゃんと実践されています。他の応募写真からも感じましたが、そうした造形感を東山さんはお持ちのようですね。リアルとアンリアルの行き来の中で生まれた可愛いエイリアンたち。素敵な写真です。

 

特選 風景部門

 

大宮 務
「落日」

鈴木 晴高
「投網の訓練」

鈴木 貴美子
「おいで」

大泉 和義
「眼光」

日比 和子
「光明」

川出 和秀
「臥龍桜」

服部 千尋
「人面光」

恒川 健治
「秋景」

磯貝 美代子
「朝の目ざめ」

加藤 哲
「ゴールデンアワー」

 

特選 自由部門

 

佐藤 幸博
「ヒールとスニーカー」

山本 真之
「空席ないよ」

堀場 嘉廣
「夕陽に輝く」

池口 勉
「奮闘」

中村 薫
「WINDOW」

杉原 英夫
「挙母まつり」

長谷川 好子
「残照の中で」

鬼頭 弥生
「はにかみ屋さん」

佐原 正人
「視線」

沖林 富士夫
「ふたり」

 

入選 風景部門

 

田中 好和
「森の主」

矢野 良子
「新緑に包まれて」

西田 節子
「夜明けのドラマ」

菱田 健
「ブルーアワー」

遠山 幸春
「真夜中のパーティー」

加藤 康明
「静寂の彩」

野田 祥子
「朝陽浴びて」

石川 勝
「惜春」

福田 保雄
「水の妖精」

竹川 俊和
「滝音を聞く」

大澤 里美
「使われていない橋」

水谷 幹雄
「夕陽に輝く竹島の海」

水野 心子
「一日の終わりに」

板津 五男
「無事カエル」

新田 博之
「厳冬」

 

入選 自由部門

 

菱川 善久
「はるか」

高尾 清
「水鏡」

戸谷 良和
「はずむ心」

坂下 淳子
「Have a good time!」

森 千花
「分解」

二枚畑 勇
「天まで届け」

矢野 勝達
「松平天下祭」

寺田 学
「チラリ 私を見ないで」

富田 正彦
「笑顔一杯」

水野 希海
「Destination」

 

川村 泰世
「11レース」

河村 圭子
「ラブリーな鐘」

杉本 信秀
「大群」

春日井 善之
「サッカー少年」

別府 英子
「子供武将」

 

3次予選通過リスト

【総評】

今年は昨年を超えた写真が集まったとのことで、皆さんの熱意をさらに感じた審査となりました。このコンテストの特徴は、大きめのプリントによる審査ということです。それが何を意味するのかというと、良い面も悪い面も全て見えてしまうということ。スマートフォンで見ているといい感じの写真でも、大きなプリントになるとアラが目立ってしまうのです。審査中にもその点が気になった写真が多くありました。今のデジタルカメラは大抵の場面でしっかりと描いてくれますから、撮影後のレタッチなどに頼りすぎない仕上げを、今一度思い出してみてはいかがでしょうか。
一方で、大きなプリントで拝見することで際立つディテールがあるのも事実です。今回グランプリに選ばせていただいた野田さんの作品は、スマートフォンの小さな画面では、その魅力はおそらく伝わらないと思います。美しく大きなプリントでそのディテールを見た時に、作者が描きたかった世界の奥深さに驚かされるのです。世界はデジタル一色になりつつありますが、紙という存在感を得ることで生まれる魅力は、これからも無くなることはないですし、いい写真が撮れた時は大きめのプリントにしてみることを強くお勧めします。撮影した時には気づかなかった何かがそこに描かれていることに驚かれることでしょう。
さて、時代はAI化が進んでいます。この先数年で、大抵の写真はAIが生み出すようになるでしょう。それでも、私たちが楽しんでいる写真はきっと無くなりません。今回受賞された皆様の写真のように、そこには作者の思いというものが大切になってくるからです。言い換えれば、私たち人間が何を感じて、何を伝えたいと思うのかが、さらに問われる時代になってくることでしょう。

 

デジカメフェア2023の情報