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デジカメフェア2022フォトコンテスト入賞作品

フェア・イベント

「中西 敏貴先生が選ぶデジカメフェア2022フォトコンテスト」に
たくさんのご応募をいただき誠にありがとうございました。

中西敏貴先生が選ぶデジカメフェア2022フォトコンテストの入賞作品を掲載させていただきます。


斉田梯征
「夕暮れ散歩」

傾いた日の光による暖色系のライティングが、見る側の情感に訴えかけてきます。買い物袋を手にした、両親と思わしき男女の先には小さな子供の走る姿。このシーンを見て幸せな気持ちにならない人はいないのではないでしょうか。背景の高圧鉄塔とビルの存在が、3人の姿とシンクロしているところも写真として面白く、隅々まで意識が行き届いた作品です。瞬間の出会いをとらえるスナップのようでいて、実はとても計算された場面なのでしょう。

 

矢野容子
「幻想」

恒川健治
「耐えて、耐えて」

リアルなものを写し出す写真の概念を、この写真は超えています。モチーフとなっているものはおそらく水だと思われますが、水という言葉から想像されるものから遠く離れられていることが素敵です。カラフルな色合いとキラキラと光り輝く水滴のような光の粒が、夢の中のような演出を与えてくれるのです。タイトルに幻想とあるように、まさに現実の世界ではない、どこか幻の世界を見ているような浮遊感に包まれます。 まず、この作品のプリントはとても美しく仕上げられていました。モノクロによる重厚な写真ですから、白と黒のトーンをどう表現するかがとても大切なことは言うまでもありません。その点で、この作品の質感とトーンは見事でした。プリントもさることながら、撮影と現像の技術も高いものをお持ちと想像します。長い時間この場所で雪の重みに耐え、人々の暮らしを守り続けてきた歴史の積み重ねが、写真にしっかりと描かれています。

池口勉
「心ウキウキ」

板津五男
「黄昏」

トンネルの先に咲く桜に向かって、弾けるようにかけていく子供のワクワクが伝わってくるかのようです。左足を高く上げたポーズにも、その心情が現れているようで、この1枚を選んだセレクトも良かったですね。「心ウキウキ」とされたタイトルには、走り去る子供の気持ちと、作者の気持ち、そして見ている側の気持ちが重なっていて、とても清々しい気持ちになります。光の中にこの子がいたら、さてどのような印象になったでしょうか。 植田正治作品を彷彿とさせる写真です。それぞれが重なることなくポージングをしているようにも見えるのは、おそらく偶然なのでしょうから、絶好のタイミングでシャッターを切った作者の実力と言えるでしょう。特に、中央で膝を少し曲げている子が画面に動きを与えてくれています。これから家へ帰ろうとしているのでしょうか。そんなことを想像させてくれる仕掛けが、シルエットの中に埋め込まれています。

 

原昌幸
「昆虫の匂い」

野田三喜男
「夏、近し!」

竹川俊和
「天空の迷路」

石川勝
「晩秋」

 

内藤登夫
「川霧纏う」

鬼頭弥生
「旬」

日比和子
「龍紋」

川出和秀
「花に浮かれる」

 

野田祥子
「渓流を彩る」

八木伸司
「ランプシェード」

 

東山大介
「何がみえるかな」

森千花
「仲よし」

吉川徹
「ファイア!!」

伊藤美晴
「絆」

 

安藤雅和
「チンドンマンが行く」

中村薫
「夕刻の景」

大口 寛
「妖光」

新田博之
「滑走」

 

佐原正人
「夏の日」

山本真之
空中回廊

 

岡本佳久
「幻惑」

仁地義郎
「ファンタジー」

富田正彦
「妖艶」

星野行史
「夜明けのアート」

水谷幹雄
「気嵐立つ雨晴海岸」

 

長谷川好子
「湖上の彩」

芝田宏和
「海原」

坂下智弘
「目覚め」

馬渕公明
「水面に映える」

水谷光孝
「朝陽が当たるまで」

 

村上祐二
「水夏(すいか)」

矢野良子
「響き合う」

橋元章
「斜光」

菱田貴子
「溢れる愛」

納谷善雄
「インディアンサマー」

 

鈴木智子
「我が家へ急げ」

堀場嘉廣
「井筒屋」

加藤巧
「がんばれ・おねえちゃん」

矢野貞夫
「ゆりかごの2人」

小出悟
「永遠の輝き」

 

石井啓喬
「和の心」

藤巻努
「銀河」

春日井善之
「二人の時間」

奈須野智現
「フラワープレート」

河合公
「絵画の如く」

 

岡田豊彦
「愁色」

長峰陽子
「先手観音」

矢野勝達
「スプラッシュ」

杉本信秀
「願いを込めて」

河村圭子
「ジャンプ!!」

 

3次予選通過リスト

【総評】

沢山のご応募、ありがとうございました。審査テーブルに並べられたプリントを拝見し、皆さんの写真に対する熱量を大いに感じ取り、審査中は座ることも忘れるほどでした。審査にあたり心がけたことはいくつかありますが、最も重要視したのは、作者なりの視点が反映されているかという点です。たとえ感動的な絶景であったとしても、どこかでかつて見たことのあるシーンならば、やはり上位入賞は叶いません。次に、プリントされた際のクオリティも重要な要素となりました。意図的な作品は別として、ピント、ブレなどの基本的な部分がクリアされていない写真については、いい場面であったとしてもやはり選考の手は伸びません。液晶モニターで確認した際には合っているように見えたピントが、大きくプリントするとズレていた、ということはよくあることですから、応募前に必ず確認をするように心がけてください。写真には、本来優劣などあるはずもなく、その写真がいい写真かどうかは、見る側と撮る側の対話の中で判断されるものでしょう。つまり、写真というのは人と人を繋ぐコミュニケーションツールとも言えると思います。撮り手側と、写真に描かれている人や風景は、写真になることで関係性が生まれます。そこで生まれた関係性を、私たち見る側へと伝えていく工夫をしてみましょう。伝えたい人のことを思い浮かべ、その人へ手紙を書くような気持ちで写真を撮ってみることをお勧めします。すると、その写真はきっと独りよがりなものにはならず、誰かの心へと伝わるはずです。撮影技術は、それらを伝えるための大切なアイテムとなります。光を読み、意図した露出と正確なピントで描く。必要ならば、しっかりとした三脚を使うことも大切です。カメラという機械を正しく扱うのは、写真に向き合うための儀式のようなものですから。