
この度は、「ハービー・山口先生が選ぶデジカメフェア2025フォトコンテスト」に
ご応募いただき、誠にありがとうございました。
全国の皆様から多数のご応募を賜り、心より御礼申し上げます。
厳正なる審査の結果、入賞作品が決定いたしましたので掲載させて頂きます。
なお、各作品は2025年9月13日(土)に開催された「デジカメフェア2025」(名古屋市中小企業振興会館 吹上ホール)にて展示させていただきました。
総合グランプリ 自由部門

佐原 正人
「帰り道」
画面の手前には、彼岸花のシルエットがシャープに捉えられており、季節の移ろいを感じます。そして、背景に自転車に乗った学生らしき人物のシルエットがぼけた描写として映し出されています。全体的に黄色い空の色調も相まって、童話の中の物語のように平和な時を刻んでいます。さまざまな事件や動きのある世界の中で、こうした一瞬の安らぎというものがこの時代に必要ではないかと思います。こうした写真をみると平和や何気ない一瞬の貴重さを改めて感じます。
準グランプリ 風景部門

矢野 容子
「炸裂」
岩場に打ちつけられ、飛び散る波しぶきを捉えた一枚です。朝焼けか夕焼けなのか、オレンジ色に染まった空と、黒い発色の飛び散った波しぶきが、まさにタイトル通り「炸裂」し、迫力のある動きを魅せています。
風景写真でブレというのはとても禁物で、三脚で固定して撮影するのが王道でしょうが、この写真には多少、全体的なブレというものが生じていて、それが他の風景写真とは違ったニュアンスを醸し出し、大自然の動きの迫力の描写に繋がっています。常識に囚われない自由な表現手段という所に挑戦したことも素晴らしいですし、一瞬で消えてしまう飛沫の様子を写真という手法で写し止めた王道を少し離れた風景写真という点を評価しました。
準グランプリ 自由部門

後藤 和彦
「幸せな時」
背景には古風な町の空気を感じ、お爺ちゃんとお孫さんなのか2人の温かい瞬間を捉えた姿に心が和みます。背景に写っている人物は傘を差しているので多少、雨が降っている状況なのかもしれません。こんな所にお爺ちゃんが、傘を支えている姿に優しさが溢れ滲んでいます。幸せな時というタイトルのように、日常の中の幸せな時、一瞬を、素敵な構図、素敵な背景と共に捉えています。
特選 風景部門
 内山 裕文 「クジラ、跳ねる」 |
 仁地 美代 「水蕾」 |
 田中 詩織 「若葉のプレリュード」 |
 伊野瀬 仲与志 「マジックアワー」 |
 川出 和秀 「エクスプロージョン」 |
 長谷川 好子 「棚田降雪」 |
 杉本 優太 「水の都」 |
 渡辺 裕一 「乱舞」 |
 遠藤 凜乃介 「手の先にある私の居場所」 |
 斉田 悌征 「beauty and harmony」 |
特選 自由部門
 加藤 吉和 「ハウス」 |
 新田 博之 「真っ直ぐな道」 |
 山田 久司 「気持ちいいな~♪」 |
 梶川 浩司 「On the Beach」 |
 柴田 作藏 「愛しい、いとしい、冬瓜さま」 |
 下村 あつ子 「妖精降臨」 |
 山本 真之 「ワー、キャー!!」 |
 諸田 雄斗 「対決」 |
 吉川 徹 「ラッシュアワー」 |
 佐藤 幸博 「たそがれをぢさん」 |
入選 風景部門
 加藤 光 「サツキの雪解け」 |
 桂山 秀博 「彩」 |
 大宮 務 「盛夏の涼」 |
 石川 勝 「終焉の一時」 |
 梶川 柚乃 「放課後」 |
 鈴木 智子 「夏のおわり」 |
 大桑 政幸 「めぐり合い」 |
 岡田 岳大 「浮遊」 |
 水谷 光孝 「氷上散歩」 |
 木田 宏 「雅な装い」 |
 諸戸 達 「進群」 |
 長沼 勢津子 「わたしの部屋から見える「春たけなわ」」 |
 藤田 伸枝 「雪あかり」 |
 内山 嘉人 「「Path of Light(神が照らす道)」橋の向こうに、神が差し出したひかりの道しるべ。心が震えたあの朝」 |
 八木 伸司 「覗き見」 |
入選 自由部門
 沖林 富士夫 「ゲット」 |
 山下 和男 「先斗町に降る雪」 |
 西田 茂喜 「燃ゆる池」 |
 石原 佳代子 「夜に咲く」 |
 森 千花 「不可解」 |
 辻井 春香 「見下ろす巨人」 |
 水野 勝之 「おかのはまぐり」 |
 伊野瀬 剛 「それぞれの刻」 |
 中村 薫 「ファンタジー」 |
 加藤 巧 「夜の訪問者」 |
 菱田 貴子 「青空のキャンパス」 |
 羽田野 泰 「永い眠り」 |
 鬼頭 弥生 「君は僕たちの宝物だよ」 |
宮下 晋 「愛の足し算」 |
 福田 哲久 「昭和」 |
3次予選通過リスト

【総評】
多くの応募ありがとうございました。
風景部門では、やはり日常の中の風景というものを見過ごしている方もいます。風景に果敢に挑戦する方は日々繰り返されている風景への美しさ、その時の特殊性などを見事につかみ、一瞬のドラマを記録しています。それは、見逃してしまう人も多いでしょうが、これ程までに大自然というものは私たちに、新しいドラマを魅せてくれることを実感し、風景写真の存在意義というものを感じます。こうした大自然の営みというものを捉える風景写真の意味を、秀作を見るたびに実感します。私自身は人物写真を撮るのを生業としてきましたが、こうした風景写真を見ると何かのきっかけがあれば、風景写真に挑戦してみたいと思う好奇心も湧いてきます。また、逆に風景写真を専門としている方は、たまには街の人々にカメラを向けて、一歩踏み出すこともまた写真の表現を広げるきっかけになるかもしれません。風景写真の中に見逃しがちな一瞬を捉えている皆さんの日々の努力に、称賛を込めたいと思います。
自由部門には、風景部門の倍以上となる900枚近くの応募がありました。これは、風景部門であれ自由部門であれ、どのように見て、自分がどのような独自の表現をしているかで作品の価値が決まると思います。選ばれた写真を見て、その写真の良さというものに、刺激を受け自身の写真の中にもその良さを取り込んでいただきたいと思います。真似ということではなく、自身の中でどう表現するかという、見る目、表現する力量というものを育てることが写真の進化に繋がると思います。平凡なものであっても、ちょっと見方を変えること、解釈する仕方で非常に非凡なものに見えたりとか、無限の楽しさが写真には残されていると思います。いつか写真を見る人に何かを気付かせてあげる、そしてその作品を見ることで人々の心が豊かになる。そうした人の心を豊かにした作品には存在意義があると思います。これからも皆さんには写真への努力を続けていただき、人々と素晴らしい写真を共有する努力を続けて欲しいと願っております。